アピアが展開するロックフィッシュ専用シリーズ「グランデージ ブルート」
これまで、ベイトモデルの83MH・90H、そしてスピニングモデルのS96Hと、計3本を実戦投入してきて今回取り上げるのは、シリーズ随一のパワーを誇るスピニング最強モデル「S96H」。
実際のフィールドでの使用感や特徴をロックフィッシュ狙いの視点からじっくりインプレしていきます。

APIA グランデージ ブルート BULL CHASER S96H
まずはいつものように評価から。
スペック | |
アクション | |
感度 | |
パワー | |
デザイン |
総合評価 は 4.5
Brute‘HRキジハタ専用ロッドにはBULLという名が入っている。そのBULLの名を継ぐパワーファイトモデルが生まれ変わった。雄牛の荒々しさから磯場でのガチファイトを連想する。50UPのキジハタを想定したパワー負けしないブランク設計は、高い足場でも豪快にやり取りする圧倒的な強靭さに加え、素材の恩恵を受け軽さも両立している。磯場でのハタゲームに求められる要素を集約した新時代のパワーファイターは、根からか引き剥がし一切の主導権を与えずに制する。大物に挑む時、その手にはBULL CHASERが握られているはずだ。
引用:https://www.apiajapan.com/product/rod/grandage-brute/
スペック

全長: 2.896 (9’6″)
ルアーウエイト: 14-56g
ライン: #1-4 自重:182g
Joint: 並継(NANO JOINT)
ガイド: Fuji ステンレスフレームSiC-S
レングス

9.6フィートという長さとHクラスのパワーは、堤防より地磯や沖磯に合うスペックで、足元が険しく、沈み根の多い磯場でボトムを感じながら操作できる長さが9.6インチぐらいだと思います。
ルアーウエイト
ロックフィッシュロッドであるため、50gクラスのルアーを使用することはほとんどなく、25〜40gあたりが、ストレスなくボトムを探れる最適なウエイトだと感じます。
ルアーウエイトは、カタログ表記通りの印象で、しっかりロッドに乗せてキャストできます。ただし、抵抗の少ないジグであれば、投げ方によっては80gまでキャスト可能ではあります(この場合はあくまで自己責任でお願いします)
使用ライン
使用ラインについては、ロックフィッシュロッドとしてはガイド径がやや大きめに設計されているため、PE4号まで使用可能だと思われますが、個人的にはショックリーダーとのバランスを考えると、PE2.5号までが扱いやすいと思います。
アクション

Hクラスならではの頼もしさ
S96Hはややファースト寄りのアクションを採用しており、ティップは適度なしなやかさを持ちつつ、ベリーからバットにかけてはしっかりとしたパワーを備えています。
このバランス設計により、「ブルート S96H」はボトムゲームとスイミングゲームの両方に対応可能な万能型ロッドとなっており、特に強靭なバットパワーを活かした大型魚とのファイトでは高い信頼性を発揮します。
また、ティップの感度と操作性にも優れており、ルアーの微細なアクションをアングラーの意図通りに伝えられる点も大きな特徴です。
画像は、かなり曲がっているように見えますが、根に入ったアカハタを強引にひっぱっているだけなので、まだまだパワーに余力がありパワーのある魚がかかると、ベリー近くまでキレイなベンディングカーブを描いています。
ジョイント

1ピースに限りなく近づいたジョイントシステム
2ピースロッドのブルート(一部除く)はジョイントは並継
最近のハイエンドロッドの多くに採用されている「逆」並継ではなくスタンダートな並継です。
アピアの並継ジョイントはオリジナルの「NANO JOINT」を採用されており、密に隙間のないジョイントはメーカーの言う通りワンピースロッドに近い素晴らしい性能になっています。
このジョイントだけでも、このロッドを買う価値があると思っているほど気に入っています。
感度
高弾性カーボンブランク
グランデージ ブルートは高弾性カーボン素材を採用しており、軽量ながらも非常に高い感度を実現しています。この構造により、ルアーの動きや海底の変化、小さなバイト(アタリ)も手元にしっかり伝わる性能があります。
感度とパワーのバランス
感度を評価する際に重要なのは、着底や底の質感がどれだけ伝わるかという点だと思います。
結論から言うと、このロッドは高感度ではあるものの、感度を最大の売りにするには少し物足りないと感じます。
その理由として、スピニングとベイトというタイプの違いが挙げられます。スピニングでは、ラインのたるみやガイドの大きさの影響により感度の面でベイトには敵わないというのが個人的な意見です。そのため、スピニング仕様であるS96Hは、ベイトモデルと比較すると感度は「やや劣る」という率直な意見になります。
このロッドが最も活きる場面は、ロングスピンで遠投してスイミング中心でテンポよく広範囲を狙うのに最適で、そういった使い方が、このロッドのポテンシャルを最大限に引き出せると思います。
ガイド

ステンレスフレーム+SiC-Sのハイフットガイドが9個
感度重視のロッドの割にガイドの数が少ないのは意外でした。
ガイド数は多いほど高感度になりますが、太いPEラインでもストレスなく扱えるとなるとガイド数が多いほど抵抗にもなるので不満はありません。
自重
自重182g
ハードな場所で使うのなら軽さより剛性を重要視するので、数値よりも長時間使っても持ち重りしないロッドバランスは全然気になりません。
パワーを備えたロッドなので自重はそれ相応と納得しています。
パワー
アピア「グランデージ ブルート」のスピニングモデルの中で、Hクラスは同シリーズの中でも最強クラスに位置付けられるモデルです。
パワーとトルク性能
このロッドは、大物を仕留めるだけのポテンシャルを秘めています。
しかし、その性能を最大限に活かすには、アングラーの技量や筋力が鍵となります。
パワーのあるロッドほど、それを扱いきるためのコントロール力やスキルが求められ、使いこなす過程で自身のレベルアップにもつながるでしょう。
Hクラスならではの頼もしさがありますが、その真価を発揮するのは使い手次第です。
個人的には、瀬戸内でアコウを軽量リグで狙うには、ややオーバーパワーに感じます。
スピニングロッドゆえ軽量リグを飛ばすことは可能ですが、40cmクラスなら瞬殺できるため、やや物足りなさを感じるかもしれません。
磯でこそ輝く一本

むしろ、このロッドは地磯や沖磯で根に潜られる大物を防ぐようなファイトでこそ、その力を存分に発揮します。
大物相手に主導権を握り続けられる、まさにパワー勝負に特化した一本です。
その強靭さが頼もしいと感じられます。
デザイン

高価なロッドだけあってデザインにチカラを入れていて所有欲をそそるデザインです。
しっかり握り込める形状 APIAパームグリップシステム
ブルートに搭載したAPIAパームグリップは、握り込んだ際に掌とEVA素材との間に隙間が出ないよう設計したグリップシステム。個人的には細身のEVAやリアグリップも手に馴染む形状は数あるロッドの中でも握りやすくデザインも秀逸だと思います。
画像では伝わらない部分も丁寧に作られており、非常に好感が持てます。
まとめ
グランデージ ブルートS96Hは、大型ロックフィッシュをターゲット狙うのに信頼のできるロッドです。

高いパワーとトルク性能を持つ一方、そのポテンシャルを活かすにはアングラーの筋力や操作技術が求められます。このロッドを完全に使いこなすことで、大物を狙う釣りの楽しさを存分に味わうことができるでしょう。
ただし、長時間の釣行では体力が求められる点も考慮が必要。それでも、強いタックルで本気の一本を獲りたいアングラーには、非常に心強い相棒になります。
個人的には今期販売予定のメジャークラフト ロックライバー5G 982XH(仮名)のライバルになりそうな気がしますので、ロックフィッシュのロングスピニングロッドの最強を決める為にも双方を比較検証してみたいです。

最後は別のロッドが登場していまいましたが「グランデージ ブルート BULL CHASER S96H」はロックフィッシュロッドの中でも最強の一角を占めているのは間違いありません。
パワフルなロッドで、魚に主導権を与える間もなくパワーでねじ伏せることのできるガチンコファイトを望んでいる方には最適なロッドで、本気でロックフィッシュを獲りにいけるロッドだと思います。
では!
コメント
コメント一覧 (2件)
これに合わせるリールは何グラムぐらいがおすすめですか⁇セルテート4000(235g)やツインパワー (260g)で迷ってます!
コメントありがとうございます。どちらもバランス的に問題なく使えますが、手元に重心が近い方がロッドアクションさせやすいのでツインパワーの自重の方が快適に使えると思います。