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【インプレ】アピア グランデージ ブルート C90Hを荒磯で試す アカハタ・オオモンハタに挑むパワーロッドの真価

アカハタやオオモンハタといった南方系ロックフィッシュを地磯や沖磯から狙うとなると、ロッドにはパワーとリフト力、そして扱いやすさのバランスが求められます。


今回はアピアの磯ロックカテゴリ「ブルート」シリーズの中でも操作性とパワーを両立した【C90H】を使ってみたインプレをお届けします。

室内に置かれているアピアのロックフィッシュロッドのC90H

APIA グランデージ ブルートC90H WINDEX


当初はロックライバー902H/Bの対抗馬として、アコウ狙いに購入したWINDEX C90H
実際に使ってみるとロックライバーとは異なるテイストで、活躍するシチュエーションも明らかに違うことを実感しました。
それ以来、トルクとパワーを求められる地磯や沖磯をメインフィールドに、このロッドを愛用しています。

今回は、そんなパワフルなアピアのWINDEX C90Hを使い、アカハタ・オオモンハタを狙った1年間の使用感をインプレします。


評価はこちら

感度
パワー
デザイン
使用感

総合評価 4.0

評価は4.0点。必要以上の派手さはないですが、“使い込むほどに信頼が深まるロッド”として、実戦派アングラーには間違いなく高評価の一本です。

スペック

長さ: 9’0ft 
ルアー: 14-56g
ライン: 1.5-4号
自重:170g

絶妙な柔と剛の均勢
「硬い=強い」の概念に一石を投じた磯用ベイトロッドBrute‘HR BOTTOM CONTACT B88H。パワーが正義とされていたジャンルに曲がることで獲るロッドが登場し、多くのアングラーの賛同を得た。その系譜でありながらすべての項目においてスペックを凌駕するロッドに仕上がったため、新たにWIN(勝利)と INDEX(指標)を合わせた造語「WINDEX」と名付けられた。千載一遇の大型魚と対峙する時、力を分散できずに起こるラインブレイクやフックがのびるなどといったトラブルを、ロッドの性能でカバーし“獲る”ことを基底として設計された。パワーがあるのは当たり前、さらにその先のゾーンにWINDEX C90Hは踏み込んでいる。
ターゲット:アイナメ、ハタ類、ソイ類
シチュエーション:磯、堤防
引用:https://www.apiajapan.com/s/rod/grandage-brute


1年間使ってみて感じたのは、このロッドは磯場で14g以上のリグを遠投し、ボトムに潜む大型魚をロッドパワーでねじ伏せつつ、しっかりと曲げて獲るスタイルに非常にマッチしています。

そのため、繊細なアプローチが求められる瀬戸内エリアよりも、水深があり広範囲を探れる日本海・九州・太平洋側の釣りでこそ、このロッドのポテンシャルを存分に引き出せると感じます。

目次

感度

ロックフィッシュ専用設計が生む「感度」の違い

ロックフィッシュロッドとショアジギロッドの大きな違いは「感度」です。

ショアジギでは最低限の感度で十分ですが、ロックフィッシュでは着底や底質、根の形状、バイトまで正確に感じ取る感度が必須。そのため、ガイド径やテーパーデザイン、バランスなど見た目は似ていても、中身は別物です。ブルートC90HもHクラスのパワーを持ちながら、ロックフィッシュ専用設計によって高い感度を実現しています。

感度は設計と素材”で出している

ブランクス素材には東レの高弾性・高強度カーボン「M40X」と「T1100G」を採用。
これにより、着底・小突き・甲殻類系の微細なバイトや地形の変化まで、明確に手元へと伝達される設計になっています。

アピア独自の2ピース構造「NANO JOINT」

アピアが開発した「NANO JOINT(ナノジョイント)」は、従来の2ピースロッドにおける継部(ジョイント部)の違和感や突っ張り感を解消するための革新的なジョイント構造です。感度と曲がりの両立に大きく貢献しています。

実釣における感度のアドバンテージ

磯場では30g前後のシンカーを使ったテキサスやフリーリグ、あるいは30g超のジグヘッドなどを水深10〜30mでもしっかり底を取れる感度と反響性能が必要です。

フリーリグでのリフト&フォール時にバイトを弾かず、しっかり絡め取るティップの柔軟さが感度にも貢献しています。感度がもたらす情報はロックフィッシュにおいては非常に有効な武器になります。

また感度の良い本ロッドでは根の頂点にリグを置き、底から根から離れないようにロッド操作で根のキワに落とすことで食い気のない魚にリアクションバイトを誘発させることもできます。

それも感度のあるロッドならではのアドバンテージです。

パワー

ファイト性能とロッドのトルク感

パワーは「H」ですがシャープさを感じるので表記以上のパワーを感じます。

沖に突っ込むオオモンハタ、根に戻ろうとするアカハタ。どちらもパワーファイト必須の相手ですが、このC90Hはロッド全体で曲がって受け止める“粘り強さ”が武器。

特に注目したいのが、ロッドが曲がっている状態でも主導権を握れるバットの反発力。無理にゴリ巻きせずとも、ラインテンションを一定に保ちつつ、テンポよく浮かせることができるバットパワーは強い安心感があります。

デザイン

マットブラックベースのブランクス

WINDEX C90Hは、艶を抑えたマットブラック仕上げのブランクスを採用。高級感と実戦的なタフさを演出し、プロ用途にも耐える堅牢な印象に仕上がっています。

タフさと洗練の両立

ゴツすぎず、しかし頼れる設計感。マットブラックと控えめなロゴの構成は、荒磯でも派手さを排した大人の装備感があります。

重心・操作感の見た目からも感じられる構成

スピニングモデル同様、フォアグリップは細身で人差し指と親指の収まりが良く、ヒット後のパワーファイトでもブレの少ないリフト操作が可能です。肉薄な形状のため握りやすく、しっかりと力を伝えられるのも特徴。

さらにアップロック構造を採用しているため、リールの装着が緩みにくく、長時間の使用でも安定した操作性を保てます。

使用感

フリーフォール&テンションフォールの自由度

磯は風が強くなりやすい環境。スピニングはラインが浮きやすく、横風でコントロールを乱されやすいですが、ベイトタックルはスプールから直線的にラインが出るため風に強いのが最大のメリット

特にWINDEX C90Hのような長尺ベイトロッドなら、ティップからルアーまでのライン角が立ちやすく、ボトム感知能力も高まります。

ベイトリールならではのクラッチ操作による即時フリーフォールが可能で、沖の根の際やスリットの中にルアーを正確に最少のラインスラッグで送り込むことができるのがベイトタックル最大の強み

長さがあることで、磯際に立ってもリグを真下に落としやすく、足元の根やシェード攻略にも向いています。

ロングキャスト性能+リフトパワーの両立

磯では沖のシモリやディープエリア、根周りなど“遠くの一点”を攻める場面が多いですが、長尺ベイトは強いトルクと安定したキャスト軌道により、重めのテキサスやメタルバイブでも確実に狙い撃ち可能。

WINDEX C90Hは60gまでのルアーを投げられる設計で、遠投&着底感知→フッキング→浮かせるという一連の動作を磯場でも快適にこなせる仕様です。

使用ラインによる使用感の違い

使用していたPEラインは1.5〜2号までで、実際の釣行ではそれ以上の太さを必要とする場面はありませんでした。ただ、スペック上は4号まで対応しており、ベイトタックル特有の直線的なライン放出を考えれば十分使える範囲だと感じます。

一方で、4号を使う場合はリーダーも太くなる傾向があり、リールに巻き込むほど長く取ると糸抜けが悪くなる可能性もあると想像しています。個人的には、リーダーは太くても40lbまでが快適に扱える上限だと思います。

使用ラインが太くなるほど様々な面でデメリットが目立つのは仕方ないので、割り切って使うのなら全然アリです。

【ブルート】ベイトモデルとスピニングモデル

「WINDEX C90H(ベイト)」と「BULL CHASER S96H(スピニング)」の2本を、時間帯ごとの魚の活性や釣りの展開に応じて使い分ける戦略は、アカハタやオオモンハタ狙いの磯ロックゲームにおいて非常に有効です。以下に、それぞれの特徴と時間帯ごとの最適な使い分けを具体的に解説します。

朝マズメの使い分け(活性が高く、回遊のチャンス)

スピニング:S96H がメイン

  • 朝は魚の活性が高く、広範囲をテンポよく探ることでヒットチャンスが増える時間帯
  • スイミング系のワーム、メタルバイブ、バイブレーションなどで、回遊するオオモンハタを中層〜ボトムで狙うのが効果的。

戦略:潮のヨレやシモリを大きく探る → ボイルや反応が出たら即フォローへ

ベイト:C90H はフォロー&フォール要員

  • 活性の高い魚をスピニングで取りこぼしたあと、ピンスポットにベイトでフリーフォールさせてバイトを拾う
  • 一撃で根に入ろうとする魚も多いため、フッキング後の対応力が高いベイトでカバーするのが有効

日中(日が高くなって活性が下がる・タフな時間帯)

ベイト:C90H を軸にボトムコンタクト重視の釣り

  • 日中は魚がストラクチャーにタイトに付きやすく、スローな釣り・フォール・ボトムステイが効く時間帯
  • C90Hの感度とクラッチ操作を活かして、岩陰やスリットにピンポイントでリグを送り込む釣りに強い。

戦略:リフト→ステイ→再フォールなど、「喰わせの間」をしっかり作る

スピニング:サブ的に変化球を

  • メタルジグやバイブで「リアクション狙い」など、日中特有の渋い状況で広く“触らせる”釣りにシフト。
  • 風が出てきたらラインが浮きやすいスピニングより、ベイト優位の場面が増える傾向
  • スピニング(S96H)=広く速く探る「攻めの展開」
  • ベイト(C90H)=確実に獲るための「一点突破型」

この2本は、アプローチの性質が真逆でありながら、釣りの時間軸を通して補完関係にある絶妙なコンビです。

まとめ

南方ロックを本気で狙うアングラーへ

アピア グランデージ ブルート C90Hは、「投げて・探って・掛けて・獲る」すべての工程で磯ロックゲームを成立させてくれる、本気の一本。

特にアカハタ・オオモンハタといった南方ロックフィッシュを、攻めた先のピンポイントで食わせ、確実にキャッチするための道具として最適です。

地磯の一投に魂を込めるアングラーへ、このC90Hが新たな相棒となってくれるはずです。

この1本とともに、あの未踏の磯へ足を運んでみませんか。

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