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【先行インプレ】セルテートHDは買いか?アルミローターの真価とセルテートSW/標準モデルとの違いを徹底解説

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セルテートが発売されるたびに一部のマニアックなユーザーから阿鼻叫喚コメで荒れるワード

「フルアルミ」

フルアルミのリールが待望される理由、販売されない理由など正式に販売決定となった今だからこそロックフィッシュアングラー目線で語ってみようと思います。

アルミのリールの何がいいの?と疑問に思っている方は必見です。

引用
https://www.daiwa.com/jp/product/0mvmm57
目次

1.ダイワ ZAION製ローターへのこだわり

ZAION(ザイオン) とは、DAIWAが独自開発した高剛性カーボン含有樹脂でローターやボディに使われてきた素材です。

ZAIONは金属に比べて非常に軽く、ローターの慣性が小さいため巻きはじめや巻き出しが軽快になり操作性や感度を大きく左右する要素で、ZAIONはここに強いアドバンテージを持っていました。

カーボン含有でありながら剛性が高く、日常的な使用や中型ターゲットとのやり取りでも十分な強さを発揮してきました。特にLTコンセプトでの軽快使用には最適でした。

軽さ × 低慣性 × 剛性のバランス を重視するDAIWAの設計思想と、ZAION製ローターは非常に相性が良かったため、長年にわたりセルテートシリーズの主流となっていました。


アジングやシーバスのように潮流の変化を感じ取る釣り、あるいはフィネスに代表されるエリアトラウトのように、水中のわずかな違和感を捉える釣りにおいて、リールの感度は極めて重要な要素であることは間違いありません。

そうした繊細な釣りにおいて、軽量かつ高感度なZAIONローターの採用は、ダイワにとってこだわりであり非常に理にかなった、当然とも言える選択だと言えるでしょう。

2.アルミローター(セルテートHD)採用の優位性

引用
https://www.daiwa.com/jp/product/0mvmm57

今回の 26セルテートHD では アルミ製エアドライブローター を採用しています。
公式ページでも詳しく説明されていますが、アルミローターを採用する理由は次の点です。

高い剛性でパワー伝達力がアップ
アルミは剛性が高く、負荷がかかった際のたわみが少なくなります。
結果として、フッキングパワーや巻き上げ性能が向上しています。公式比較ではフッキングパワーが約8%アップともあります。

高負荷下での安定感向上
大型魚や巻き抵抗の大きいルアー(鉄板バイブ、大型ミノーなど)での巻き感が安定し、負荷が強い状況でもブレにくく疲労感の低減にも繋がります。

耐久性・剛性重視の設計適合
HD(ヘビーデューティ)仕様として、よりパワー勝負の釣り(ハードロックフィッシュ、ヒラスズキ、ショアジギング、サーフ青物など)で力を発揮する方向に設計されています。


22ステラC5000XG

ライバルのシマノでは剛性のあるコアソリッド系のステラ、軽量レスポンス系のマグナムライト系のヴァンキッシュなどと棲み分けができています。これは早い段階からリールのフルアルミのおける優位性を認識していたから現在まで系譜が続いているのかもしれません。

そう考えるとダイワもシマノのように軽量レスポンス系のイグジスト、剛性重視のセルテートHDの二極化に舵を切っていくのかな?と妄想してしまいます。

話が少し逸れてしまいましたがセルテートHDは3000〜5000番と小〜中型の番手をラインナップされておりダイワ機種の中でもハードな状況下で無骨に使えるのがセルテートHDの主戦場だと思えます。

ハードロックフィッシュでもセルテートHDの実力を発揮できるシーンは多くあり、フルアルミのリールが欲しいけどステラの蜜巻きに抵抗あると言った方には待望の機種です。

アジングやメバルのライトゲームにフルアルミリールは必要か?

アジングやエギングにおいて、たとえばステラのような“フルアルミリール”を使う必要があるかと言えば、個人的にはデメリットの方が大きいと感じています。

小型ルアーが生み出す微細な振動や潮流の変化を捉えることが重要な釣りにおいて、重たいアルミ製ローターがその感度を相殺してしまうのは非常にもったいなく思えるのです。

ライトゲームのように小型番手のリールを使うジャンルでは、ルビアスやエアリティ、ヴァンキッシュのような低慣性・軽量なスピニングリールの方が、得られる情報量が多く、釣りそのものが非常に快適になります。巻き始めも軽く、場合によってはハンドルの自重だけで自然に回ってしまうような感覚のあるリールの方が最適だと思えます。

3.なぜ今、アルミローターを採用できたのか?

これは長らく不明でしたが今回のセルテートHDの特設ページにて解説されました。

DAIWA公式によれば、従来は小型スピニングリールでは金属ローター化が難しかった とされています。
理由は、金属は重くなりやすく、軽さや低慣性が重要な小型スピニングには不向きだったためです。

しかし エアドライブローター という新設計によって、球体的な合理形状と肉抜き設計により、ローター自体の慣性を抑えつつアルミの剛性を活かせる構造が実現されました。

つまり エアドライブローターの登場により金属の強さと低慣性 を両立できるようになったため、アルミローターを搭載したセルテートHDへの採用が可能になったということです。


今回はセルテートSWも同時に発表されました。SW機は従来通りザイオンローター

セルテートSWはソルト専用・大型対応リールであり、ボディ全体がすでに高剛性・大型構造。ローターまでアルミにすると自重が大きく増加するため軽量化を図る目的でZAIONローターは妥当な選択。
もしザイオンローターに不満を持つユーザーがいても、上位互換としてフルアルミの「ソルティガ」が存在しており、用途に応じた選択が可能。


ノーマルのセルテート以上、けれどもSW機では重たすぎる、大き過ぎる。けど剛性のあるリールが欲しいと思っていたユーザーからすると今回の汎用機の大きさで少し自重がある、けど剛性は絶対必要と思っているマニアックなユーザーからすると今回の26セルテートHDは神機なのです。

フルアルミリールを求める理由とは?

ここからはロックフィッシュ目線でフルアルミリールを求める理由、こだわる理由を語っていきます。

沖磯ロックフィッシュにおけるフルアルミリールの必然性

ロックフィッシュゲームでは、基本的にドラグをフルロックで挑むのがセオリーとされています。魚にラインを出してしまうと、その隙に根へ潜られてしまうため、ヒット直後から主導権を握る“剛の釣り”が求められます。※状況により例外あり

特に、ラインを一切出さずに魚の引きに対応することは、リールに非常に大きな負荷をかける行為であり、ドラグを滑らせながら負荷を分散させる一般的な釣りよりも、リール剛性の重要度が格段に高くなります。

さらに、水深のある沖磯でのハードロックフィッシュでは、魚の引きに加えて魚体の重さ、水圧による荷重が加わるため、手のひらサイズの魚でさえ強い抵抗となります。青物のように横へ走る魚とは異なり、ロックフィッシュは下へ下へと潜ろうとするため、一気にゴリ巻きで勝負を決める必要があります。

このような釣りには、“過剰とも言える剛性”を備えたタックルが不可欠です。


19セルテート4000CXH

余談ですが過去に19セルテートを使っていました。ヒット後にローターのたわみで巻きがギクシャクとなり何度も魚が根に入られた苦い思い出があります。そういった経緯を何度か繰り返し経験値を積んでも相変わらず根に潜られることが続くのでオールアルミの22ステラを購入した経緯があります。

22ステラに替えてからは、巻きの安定感とパワーをしっかり感じられるようになり、ゴリ巻きでも魚に主導権を与えることなくやり取りできるようになりました。その結果、明らかに獲れる魚の数が増え、フルアルミボディのスピニングリールによるハードロックフィッシュゲームは、非常に快適なものになりました。

金属ローターにおける巻きのフィーリング

ここまではローターの剛性について語りましたが、ローターがアルミ製になることで別のメリットが出てきます。

「安定性」

これは剛性のあるアルミローターになり、たわみがなくなるので一定の抵抗がブレにくいのが利点です。
これが「滑らかで安心感のある巻き出し」につながります。

それにアルミは重量がある分、慣性が働きやすく巻きが“粘る”ような感覚があります。
これは軽量のザイオンローターにはない、「安定した巻き心地」や「トルク感」を釣り人に与えてくれます。これは数値には表れない、けれども確実に実感できるアルミローターの隠れたメリットでもあります。

〜24セルテート4000CXHも所有中

24セルテート4000CXH

沖磯用に24セルテートも使用しています。
24セルテを購入するにあたり気になったのは19セルテで感じたローターのたわみ

24セルテも19セルテと同じくローターはザイオンですが、エアドライブローターの恩恵で剛性が増していており、たわみを感じたり剛性がないと感じたことはなく正常進化している印象

「なら24セルテートで問題ないんじゃね?」と思うのですがある意味正解。ある意味としているのは軽量なローターは感度が良いと書きましたが、剛性が第一としているハードロックフィッシュでは巻きによる感度の良さが不要な振動を感じてしまい不快に感じることがありました。

それに巻きが軽いとゴリ巻きの時に魚の引きの強弱で、ハンドルを巻く手が不意に止まってしまうことがあります。「そんなこと」と思いますが慣性が働いて動き続けている方がゴリ巻きしやすく巻き取るスピードとトルクに雲泥の差があります。なので24セルテートを使った上での感想は磯から24セルテートは個人的に合わないと感じました。


そのほかの変更点

個人的に気に入っているのはエアベールに角度がついた点

引用
https://www.daiwa.com/jp/product/0mvmm57

ベールに角度をつけてラインを拾いやすくしてラインローラーに誘導するために角度をつけているのは好印象。ダイワのスピニングはベールが水平で、たまに指でラインを誘導しないといけない時があるので、シマノ寄りと言われるかもしれませんが良いものは良いということで素直に改善してくれたのはウレシイですね。

他はベアリングの追加や各部ボルトの変更など細かい点で「HD」の名の通り剛性を売りにするためのブラッシュアップが見られます。

【まとめ】26セルテートHD 先行インプレ

長年待ち続けた待望のオールアルミ化によるダイワ セルテートHD

全ての釣りにオールアルミのリールがいるのかといえばNO

しかし特定のジャンルの釣りでは無類の強さを感じることのできるのがフルアルミのリールで、長年求めていたアングラーからするとダイワが作るフルアルミのリールが20年の時を超えて発売されるのは感慨深いものがあります。

気になるお値段は定価で83000円前後とかなり強気の設定。

ステラと同等の値段なので気軽に買える金額ではないですが、ダイワ唯一のフルアルミリールであるセルテートHDが頑張れば手の出せれる金額なら買うの一択しかありません。

「フルアルミだから、実現できる釣りがある。」

キャッチコピーが的を得ててこれに尽きます。


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